【ボトリング】#10 チェコ・ラガーBottling #10 Czech Lager

前回の続き。

主発酵、コンディショニング、ドライホップ、春前の床下コールドクラッシュを経てボトリングした。仕込み日から14日後だ。

後半の日程がギチギチなのは、詰めの翌日に数日家を開ける必要があったからだ。そのためこの記事の作成も遅れた。

主発酵は問題なく進んだ。イーストピッチを除いて、温度管理は悪くなかった。

少し多かった

麦汁8Lに対しSaazを20g(2.5g/L)投入。出汁パックはなし。

出汁パックは使う時に消毒するのだが、ホップはそのまま入れていいのか毎度不安になる。
もしかしてホップにサニタイザーを吹き付けたほうがいいのか?
が、そんなことをしている映像はみたことない。みんなそのまま突っ込んでいる。

ボトリングセット。コンテナに入っている液体はサニタイザー(希釈したスターサン)

そういえば、なんとなくボトリングセットの写真を取っていた。
プライミング(ボトルコンディショニング用の砂糖の投入)の方法に関しては色々ある。水に砂糖を溶かし沸騰させ(消毒)、それを冷やしたものを量ってボトル一つ一つに入れる方法、冷やした砂糖水をそのまま発行容器に入れ混ぜる方法(澱が多く混ざるためオススメはしない)などだ。

私は3gのスティックシュガーをそのまま入れている。これが一番手軽だと思う。今のところコンタミなどの問題は起きていない。この方法の不便な点としては、炭酸の量を調整できないことだ。最初は3gを大まかに分断して、狙ったCO2volumeにしていたが、面倒なので、今は500mlだろうが750mlだろうが、3gの砂糖を入れている。

プライミングについての簡単な説明

プライミングとは、ビールに炭酸を入れるため砂糖を投入する、という行為を指す言葉だ。
高価な発行容器(いわゆるUnitank、最低でも数十万する)をもたないホームブルワーは、瓶内二次発酵というのを利用してビールに炭酸を入れる。主発酵が終わった(ビール内の発酵可能糖類が全て消費された)ビールを瓶やペットボトルに詰め、砂糖を入れて蓋をする。すると酵母は新たに現れた糖を食べ、二酸化炭素とアルコールを排出する。二酸化炭素に逃げ場はなく、ビール中に溶け込む。

※実は砂糖を入れずに瓶内二次発酵で炭酸を入れる方法もある。気になる方はペット・ナット(pét nat)と調べてみてほしい。いつかこの手法と、この手法でカーボネーションしたビールの記事を書くつもりだ。

私はこのサイトに炭酸の量を計算してもらっている。
見てもらえば分かるのだが、プライミング計算に必要なのは、詰める量(Amount Being Packaged)、狙う炭酸量(Volumes of CO2)、詰めるビールの温度(Temperature of Beer)の3つの要素だ。これらが決まれば、それに必要な砂糖の量が分かる。砂糖の種類によって味わいが変わるらしいので、気になる方はいろいろ試してみれば面白いだろう。

※主発酵を終えたビールには、たとえ容器が密閉されていなくても、ある程度の炭酸が溶け込んでいる。その量がCO2 in Beerという数字だ。

・詰める量は各人で調整できる。500mlの瓶に入れてもいいし、1Lの炭酸用ペットボトルに入れてもいい。
・目標とする炭酸量は作ったビールのスタイルと好みによる。
・詰めるビールの温度は各人の設備によるだろう。発酵容器がすっぽり入るワインセラーを持っていれば、上手く調節できるかもしれない。詰めはコールドクラッシュのあとに行われ、基本的に低い温度が望ましい。

ここまでくれば、炭酸の量を調整できない、という意味がわかると思う。
・詰める量(500mlか750mlの2択)
・詰めるビールの温度(外気温による)
・砂糖の量(3gで固定)
ということは、炭酸の量も勝手に決まってくる。

今回は全て500mlに詰めた。ビールの温度は9.8℃、砂糖の量は3g、この条件だとVolume of CO2は2.7となる。少し高めだ。

温度が高いほど詰め前ビールに溶け込んでいる炭酸量が減る。これからあったかくなれば、プライミング方法の調整が必要になってくるかもしれない。

紛れ込む三ツ矢

今回詰めたのは500mlが12本、総量は6Lだった。
発酵容器に入れた量が約8Lであることから、損失率は2割だ。
原材料費が2914円であることから、485.7 円/Lとなり、350mlだと170円、500mlだと242.9円となる。
これは#9アメリカン・ウィートより少し高い。理由はイーストの値段の差だ。ラガーはエールよりも多くイーストを必要とする。ざっくり1.5-2倍だ。今回はラガー用ドライイーストはほとんど1パック入れた。前回はエール用ドライイースト半パックだった。

抹茶に見えなくもない

今回は混ぜずにホップ澱を舐めた。
上層(ホップ混ざり気味)はピリピリした。このことから活動を終えたばかりの酵母はピリピリするということだ。このピリピリはどぶろくと同じものだろう。生きた酵母はピリピリする。理由は分からない。
中層以下は前と同じく味のない絵の具だった。

出汁パックにいれずにドライホップすると、イーストに関係なくここまで濁る。
個人的にビールの見た目はあまり気にしない派だ。クリアなラガーがクリアな味だとも限らないだろう。先入観の影響をどこまで考えるか、、、
完成した時、この濁りがどこまで残っているか楽しみだ。

本当にラガー?と疑うほど濁っている

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