トラブルシューティング — 発酵が遅いまたは停滞するTROUBLESHOOTING - SLOW OR STALLED YEAST

※は翻訳者による追記

発酵の遅れや停滞の根本原因

これらはビールの発酵が遅れたり滞ったりする一般的な根本原因である :

Unhealthy yeast
: ストレス、栄養不足、長期保存、輸送中の破損

酵母にストレスがかかると発酵が遅れたり停滞したりすることがある。これは酵母が古すぎるか、発酵を完了させるための栄養素が不足していることが原因である。また輸送中や取り扱い中に酵母がダメージを受けた可能性もある。ほとんどの場合Yeast Lightning Nutrientのような栄養素を添加することで、停滞した発酵を再開させることができる。

Wort production variability
: ブルーハウスの変更、ベースモルトの仕様、トラブの持ち越しが多いか少ないか

ブルーハウスの設備や機能、ベースモルトの仕様、トラブキャリーオーバーの量が変わると、発酵に影響を与えることがある。

詳しくはAttenuation(翻訳済)、Forced Fermentation Test(翻訳済)のページを参照のこと。

Temperature swings

自家醸造の規模において、家庭の環境下で発酵させることは発酵に影響を与える可能性のある大きな温度変化を意味する。

プロフェッショナルの規模では、グリコール冷却の設定が酵母のパフォーマンスに影響を与える場合がある。例えば、タンクコーン上のグリコールジャケットがタンク上部ジャケッ トよりも低温の場合、凝集/休眠が早まる可能性がある。これは、タンクコーンの表面積とジャケットの体積比が低いため、コニカルタンクでよく見られる問題である。この場合、コーン・ジャケットへのグリコール流量を制限することを推奨する。

※タンクコーンとはコニカルタンク下部の下向き円錐形の部分。
ジャケットユニタンクと呼ばれる発酵槽は、ジャケットの部分に冷えたグリコールが流れ中にある麦汁を冷やす、という構造で発酵温度をコントロールする。
私はタンクコーンにグリコールが流れる発酵槽は知らない(少なくともメジャーではない)ためここ上部の注意は大抵の人にとって当てはまらないと思われる。

グリコールの設定温度が本当に低いと、タンクがグリコールを要求したときに温度が変動することもある。これは過冷却を引き起こし、タイムラグを増大させる。これは特に設定温度より高い温度で醗酵させたラガー醗酵で顕著に見られる。これらの発酵が過冷却になると、ラグタイムが長くなることがある。ラガーの場合、設定温度より低い温度で麦汁をスタートさせるか、設定温度までタンクを1℃ずつ徐々に冷却する方が良い場合が多い。

※グリコールの設定と発酵槽の温度設定は違う。
例えばグリコールの設定を0度、発酵槽の設定を12度としよう(ラガーを想定)。
この場合、麦汁温度が12度を超えた場合、グリコールラインが開き、グリコールがジャケットに流れ込む。
もし何かしらのミスで麦汁温度が15度となりラインが開いた場合、15度の麦汁の周りを0度のグリコールが覆うことになる。グリコールは麦汁の温度が12度になるまで流れ(循環し)続ける。温度センサーははたいてい発酵槽の下部(ジャケットより下)にあるため、グリコールが流れるジャケットの部分、発酵槽中央(メイン)の温度、センサーの温度、これら三点で温度差が生まれる。つまり状況によっては、センサーが12度を感知しラインが閉じられたときには、ジャケットの部分が10度以下だった、なんてこともありえるということだ。

醸造所のグリコールに関するもう一つの専門的な問題は、グリコ ール配管システム / Glycol Piping System Is Designed(交渉中)がコスト削減のために先入れ先出し方式で設計されている場合、システムが温度変動を起こしやすいことである。先入れ後出しの方式は通常、温度変動が少ないため発酵温度がより規則的になる。

Yeast-inhibitory ingredients

原料の中には、真菌作用があり、酵母の働きを鈍らせたり、停滞させたりするものがある。以下は酵母を抑制する可能性が示された原料のリストである :

  • 柑橘類(高濃度)
  • 生姜
  • エタノールに可溶化した添加剤(バニラエキスなど) これらの原料は発酵後に添加することを推奨する。

発酵を再開する方法

以上、発酵が止まっている場合の再開方法について説明した :

1. Add nutrients and rouse the yeast

自家醸造の規模では容器を振ればできるし、プロの規模ではCO2や窒素を底から泡立たせればできる。発酵度50%以上のビールには酸素添加を推奨しない。Yeast Lightning Nutrientの使用をお勧めする。

2. Pitch a dry yeast such as House Ale

自家製酵母は酸素を必要としないため、ハウスエールのような強力な酵母株は発酵が止まったビールの再スタートに最適である。House Aleはアルコール耐性が高いため、必要に応じてインペリアルスタウトやトリプルIPAの比重を削るために使用することもできる。

トラブルシューティング・クエスチョン

  1. 酵母の世代は?生存率があれば何%か?
  2. その酵母は収穫から使用までどれくらいかかったのだろうか?
  3. 麦汁の酸素添加はどのように行われたのか?
  4. 麦芽の構成とOG(初期比重)は?
  5. 栄養剤を加えたか?
  6. 強制発酵テスト / Forced Fermentation Test(翻訳済)を行っているか?もしそうなら結果はどうなるか?
  7. 麦汁中のトラブの持ち越しはどの程度か?
  8. タンクはコーンとボディのグリコール・ジャケットを独立制御しているか?
  9. 酵母はEscarpment Labsから直接投入したのか、それとも醸造所で増殖させたのか?

Troubleshooting - Slow or Stalled Yeast - Escarpment Laboratories Knowledge Base
Root Causes of Slow or Stalled Fermentations These are some common root causes of slow or stuck beer fermentations:  Unh...

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