今回作るのはチェコ・ラガー(ボヘミアン・ピルスナー)、これは私が好きなラガースタイルの1つだ。レシピはシンプルにピルスナーモルトとサーズホップ。イーストはSafLager S-23。温度調節機能を持たない発酵容器(簡単にいうとプラスチックバケツ)を使っているため、ラガーを醸造するには平均気温が10度前後である必要がある。冬もそろそろ終わりそうなのと、ラガー酵母が1つあったので、これを今季の最終ラガーとしてやってみた。
ラガー酵母を使うのは四度目くらいだが、最初の2つはスチームビール(ラガー酵母をエールの温度帯で発酵させる)だったので、ちゃんとしたラガーではなかった。なぜいきなり脇道にそれたかと言えば、当時Inkhorn BrewingだったりWest Coast Brewingだったりと、名だたるブルワリーたちがラガー酵母を使ったウェストコーストスタイルをリリースしていたからだ。
前回のラガーに当たる3度目はジャーマン・ピルスに挑戦した。結果はまあまあだった。スパージングの温度調整にミスがあったのか、後味に渋みがあった。そこ以外は可もなく不可もなく。
今日のブルーイングBGMはClawhammer Supply。特にロスが出てる動画がオススメ。これとか↓
レシピ
Style / Czech Lager
ABV / %
IBU / 19.6
Name | PPG | Ratio |
Pilsner | 36 | 100 |
Name | AA | g/L | |
Saaz | 3.5 | 2.9 | Mash |
〃 | 〃 | 1.9 | @60 |
〃 | 〃 | 1 | @10 |
〃 | 〃 | 1 | Whirlpool |
〃 | 〃 | 2.5 | Dry Hop |
Name | Type | Attenuation | Optimum Temp | Pitch Temp | g/10L |
SafLager S-23 | Dry | 80-84 | 12-18 | 12 | 10 |
マッシング
63℃30m、67℃30m、78℃10m(マッシュアウト)。
水質調整はしていない。チェコは軟水でドイツは硬水という話はたぶん知ってる人も多いだろう。日本の水は水道水も含めて軟水だと思うので、今回は醸造塩をいれずにそのまま使った。
今日は髪を切る予定があったので、なるべくシンプルに手早く作ろうというタイムアタック的な側面もあった。醸造開始時刻は10:30。これはマッシング用の水を寸胴鍋にいれた時間だ。温めている間にモルトを量る。今回はピルスナーモルトだけなのですぐに終わる。そしてマッシュホッピング用のホップを量り、とりあえずは完了。レシピがシンプルだとここまで慌てなくて済むのかと驚く。大抵はモルトを用意してから水を温め始める。
前回と違いマッシュアウトをしたためか、マッシング効率は83.9%と過去最高を更新。スパージングをいくらか丁寧にしたのもあると思うが、さすがに差が出すぎている。たぶんモルトの差だろう。あの小麦はちゃんとクラッシュされてなかったのだ。
マッシュホッピングの利点の1つとして、ホップ粕が少なくなるというがあるだろう。ロータリングの際にモルトと一緒に濾されるからだ。全てのホッピングをこの段階で済ませれば、とてもきれいな麦汁がとれるだろう。味はどうか知らないが。
ボイル
ここは前回と変わらない。
出汁パックなしでホッピング。
マッシング効率がほとんど予想通りだったため、火力も予定通り。
ワールプール
85℃付近でNOパックホッピング。
チラーを使えば1,2分でそれくらいまで下がる。
今回の誤算はワールプールレストに続くチリングで、チラーに続くホースの途中で水が漏れてしまったことだ。このミスはこれまでに何度かあり、ホースを変えたり、ホースバンドを使ったりとしているが、水圧を間違えると気づいたら漏れている。結果、チル時間や水量が狂い、次の誤算に繋がった。
イーストピッチ
エアレーションしながら注ぎ、ドライイーストを投入。再び5mのエアレーション。
温度を確認すると16℃。もう少し冷やしておくべきだったが、イーストの適正温度的には問題ない。
最終比重を量り、ターゲートよりも少し高いことを確認しつつ、時刻は15:30。水をためてからイーストピッチまで約5時間。悪くないタイムだろう。ここまでくれば手を離すことができる。逆に言えば、この5時間は全く手を離すことができない。ボイル中やチル中など、30mほどダラダラする時間はあるが、家を空けるのは難しい。
イーストピッチ後の私のルーティンは、寸胴を軽く洗い、移送用ホースとチラーをその中に入れ、80℃のお湯と酸素系漂白剤で漬け置きしている。今日はミスで沸騰させてしまった。ホースが白くなった。大抵は夜ご飯を食べた後にゆっくりすすぎ洗いしている。
発酵プラン
ピッチ温度は変わってしまったが、大筋は変わらない。
最初の3日ほどは12℃。その後14℃。主発酵が終わればダイアセチルレストとして20℃で3d。コールドクラッシュの時にドライホップ。
と、細かい温度は記しているものの、ほとんどは気温任せだ。プラスチックバケツにそこまでのスペックはない。ワインセラーがあれば違うんだろうけどね。ダイアセチルレストには電気アンカを使うが、それ以外は自然の力でなんとかしてもらう。最近、床下スペースを見つけたので、夏はそこで発酵させようと思っている。コールドクラッシュと言っても、冬の明け方の床下はそれくらい下がるかな、という希望的観測だ。あんまり期待していない。
まとめ
前回から約一週間後のホームブルーイング。これでうちにある2個の発酵容器はパンパンになった。アメリカン・ウィートはそろそろ最終比重に到達するだろう。レーズンの方は全く変化が見られない。6日目まで毎日写真を取っていたが、それもやめた。やはり冬だと難しいのかもしれない。カビが生えたら捨てるが、それまでは空気抜きだけして放っておくつもりだ。
自然酵母の道は長い。
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