ビールの濁りとそれをうまく利用する方法についてのシリーズ第一弾
The first in a series on beer haze and how to make it work for you
※は翻訳者による追記
はじめに
ビールの流行は一瞬のものだ。ある程度の持続力を見出すものもあれば、群衆を喜ばせるものとして確固たる地位を見出すことができないものもある(残念ながら、Brut IPA、我々はあなたをほとんど知らなかった)。トレンドが成熟するにつれて、消費者はそのスタイルの風味プロフィール、外観、アロマ、あるいはトレンドが注目するあらゆる特徴に対して期待を抱くようになる。流行に乗ろうとするブルワーは、その期待に応える方法を見つけなければならない。
濁りブームは、かつては流行を追い求める人たちのものだと思われていたかもしれないが、売上データ(交渉中)によれば、ヘージービールは他のどのホップ・フォワード・スタイルよりも前年比成長率が高い。ヘイジービールを受け入れ、そして完成させる時が来たのだ。このシリーズでは、ヘイズとは何なのか(そして何ではないのか)、さらにドライホッピングと酵母がヘイズの安定性に与える影響についての我々の研究結果について説明する。
濁りとは何か?
事実上、濁り(haze)は濁り(turbidity)である。ビール以外の濁りには、空気中の霧や煙がある。濁りは、光を遮る媒体中に浮遊する小さな粒子によって引き起こされる。粒子の濃度と大きさによって、濁りはほぼ透明なものから完全に不透明なものまで様々である。通常、飲料水には濁りはないと考えられるが、牛乳のような不透明なものは高いレベルの濁りが測定される。
上の画像は、さまざまな濁度レベルが肉眼でどのように見えるかをよく表している。各バイアルの下にある数字は、ネフェロメトリック濁度単位(nephelometric turbidity units / NTU)を示している。この単位は、科学者がこれらの粒子によって散乱される光の量を客観的に判断するのに役立つ。この測定は、ビールを飲む人にとってはそれほどエキサイティングなものではないかもしれないが、研究者が醸造工程における様々な変化が濁度にどのような影響を与えるかを理解するのに役立つ。
ビールにおける濁り
歴史的に、濁りはビールの敵だった。ブルワーは何世紀にもわたって、濁りを防ぐ方法を完成させるために努力してきた。ビールの濁りに関する我々の理解のほとんどは、ラガーやイングリッシュ・エールのような鮮やかなビアスタイルを悩ませるチルヘイズ(chill hazes)やパーマネントヘイズ(permanent hazes )を中心に展開されている。
- チルヘイズは、モルトタンパク質とモルトまたはホップのポリフェノールが緩やかに相互作用(疎水性相互作用、水素結合、ファンデルワールス力)する際に、低温で形成される濁りのことである。このタイプの濁りは可逆的である。
- パーマネントヘイズは、モルトタンパク質とモルトまたはホップのポリフェノールが共有結合することで発生する。この非可逆的な濁りは、長期熟成で発生するか、加温と冷却を繰り返すことで強制的に発生する。
ビールにおける濁りといえば、パーマネントヘイズ、つまり発酵中にホップを発酵槽に投入すると魔法のように現れる乳白色の霞のことを指す。この種のビールの濁りは、モルトタンパク質とホップポリフェノールとの相互作用の結果として発生するというのが一般的な説だ。まさに「ゴルディロックス」のシナリオだ。タンパク質とポリフェノールの相互作用が多すぎると、コロイドが不安定になり、魚の餌のフレークのようなものが渦を巻いてスノードーム効果を生み、缶の底にヘドロができる。タンパク質とポリフェノールの相互作用が少なすぎると、濁りはフルーツジュースのようになり、真の濁りとは言えない。
※英国の童話「ゴルディロックスと3匹のくま」に登場する少女ゴルディロックス(Goldilocks)がくまの家で飲んだ熱すぎず冷たすぎない、ちょうど良い温かさのスープにちなむ。
出典:ゴルディロックス相場(野村證券用語解説集)
※ビールを濁らせるHZY1遺伝子に関する翻訳記事はこちら“濁りの遺伝子を発見”by Top Crop
濁りに関するシリーズを続けるにあたり、濁りの最適化、ドライホップのタイミング、酵母が濁りの安定性にどのように寄与するかなど、我々が行った実験を掘り下げていく。それまでは、ある言葉を引用しておこう:
「濁りの根本的な原因は、表面に存在する物質ではなく、むしろ粒子の核にあるのかもしれない」チャールズ・バンフォース
“… the underlying cause of a haze may be at the nucleus of the particle rather than in the material which resides on the surface.” Charles Bamforth
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