チオールラガーThiolager

クラシックに新しい風を吹き込む
A new take on the classics

※は翻訳者による追記

Thiolager

クラシックに新しい風を吹き込む

チオール、チオール、チオール。最近、チオールの話ばかりしているような気がする。幸運なことに、チオールの研究開発をする上で、レシピは最も楽しい部分である。ここでは、チオールとラガーとの関係について少し話そう。

なぜラガーをチオール化するのか?

私たちの研究開発チームは、イノベーションを視野に入れてチオライズド(Thiolized®)ラガー酵母株”Lunar Crush”を設計した。ブルワーは古典的なビールスタイルからこれまでにないスタイルのビールまで、話題作りのために常に新しくエキサイティングな方法を考案している——例えば話題となったコールドIPAだ。私たちが期待しているのは、ブルワーがチオール前駆体をバイオトランスフォーメーションできるラガー株の興味深い使い道を見つけてくれることだ。もしかしたらこの菌株を使って、昔ながらのビールにまったく新しいテイストを加えることができるかもしれない。

チオールを前面に出したラガーに期待すること

IPAやNEIPAとは異なり、ラガーのレシピはモルトとホップをシンプルにする傾向がある。チオール化酵母に長年推奨しているのは、レシピをシンプルに保ち、酵母の揮発成分を輝かせることである。このレシピは、度合いの強いチオール・アロマが完成品にほとんど競合しないよう、シンプルさを念頭に置いて書いた。

フレーバー的には、このレシピはすっきりとした後味のライトで飲みやすいビールになると予想される。パッションフルーツ、グレープフルーツの皮、グアバなどのアロマが、軽いブレッドモルトのキャラクターと重なる。

このスタイルは、クラシックなペールラガーが好きでだが、何か新しいものを探している人々にアピールすると思う。このような度合いの強いトロピカル・フレーバーのラガーは、人気の高いホップ品種を使ったドライホッピングを多用しない限り、あまり典型的なものではないので、チオールを使うことでフルーツ・フォワード・ラガーにスポットライトが当たることを期待している。このレシピを試して感想を聞かせてほしい。

Thiolager Recipe

VITAL STATISTICS
  • Batch size 1 barrel (~31 gallons / 117L)
  • Boil time 60 minutes
  • IBUs 21.6
  • SRM 2.8
  • OG 11.5°P (1.046)
  • FG 2.4°P (1.010)
  • ABV 4.85%
RAW MATERIALS
  • Pilsen malt
    55lb (100%) / 25kg
  • Saaz hops (3.5% AA)
    1.6oz / 45g | Mash 60 minutes*
  • Hallertau Mittelfrüh hops (4% AA)
    1.6oz / 45g | Boil 30 minutes
  • Hallertau Mittelfrüh hops (4% AA)
    1.6oz / 45g | Boil 10 minutes
  • Hallertau Mittelfrüh hops (4% AA)
    3oz / 85g | Boil 5 minutes
  • Yeast
    Lunar Crush (OYL-403) @ 14 million cells/ml
PROCESS

Single infusion mash at 148°F (63°C) with 1.25 qts/lb water to grist ratio (2.6L/kg). Target 5.2 – 5.3 mash pH. Knock out at 50°F (10°C) and ferment at 52°F (11°C) for 2 weeks. Ramp up to 68°F (20°C) for 1 week.
*Expect approximately 30% AA utilization when mash hopping.

備考

テロワールを理解することは、ビールのチオールの可能性を引き出す方法を理解する第一歩である。私たちの研究開発チームは、麦芽とホップのさまざまなロットや品種をテストして感覚的なデータを収集するなど、何百回もの試験を実施しており、各原料のチオールの可能性を理解するのに役立っている。私たちのテストは、品種や地域の一貫性はあるものの、チオール前駆体はロットによって異なることを示している。最も成功したテストのいくつかは、地元の製麦業者やホップ農場からの異なるロットをテストした結果である。

原料の産地を正確に知ることは、チオールの可能性を予測するだけでなく、安定した醸造を行う上で非常に重要なツールである。例えば、ある品種の二条麦芽は、国内のある地域で栽培されたものと別の地域で栽培されたものでは、糖化力(diastatic power)とタンパク質が異なる。また、収穫年によっても異なる。原料由来のチオール前駆体についても同様である。一貫性を保つために必要な情報を提供してくれる供給元を知り、信頼することが品質管理の鍵である。

Sugar Creek Maltで発芽する大麦

推奨事項

Lunar Crushは確かにラガー用の酵母株であるため、ラガーを醸造する際には通常の注意を払うこと:コンディショニングの時間を追加し、休息とクラッシュのタイミングに注意すること。この酵母株は、親株であるMexican Lager(OYL-113)と同じ挙動を示す。

ビールがおいしすぎて写真を撮るのが難しいこともある

Thiolager
This lager’s bursting with fruit flavor

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